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【朝日新聞】社説:海保映像問題―まだ流出の真相が見えぬ 11月17日

11月17日の朝日新聞社説より

前半は、海上保安庁の情報管理についての苦言です。気になったのは後半部分です。

海保への疑問が増す一方で、保安官の行為を支持する声が一部に広がっている。安倍晋三元首相がメールマガジンで、「勇気をふるって告発した保安官」を励ましたのはその一例だ。
 だがこれはおかしい。政府の方針が自分の考えと違うからといって、現場の公務員が勝手に情報を外に流し始めたら、国の運営はどうなるか。


一般論としては、異論はありません。映像を流出させた当人さえ、規律違反であることは認めています。しかし、問題とすべきなのは一般論ではなく、この事例の当否です。社説は次のように述べています。

保安官の行いは、法律で保護される内部告発の要件を満たしてもいない。称賛したり英雄視したりするのは間違いだし、危険なこと甚だしい。保安官は「一人ひとりが考え判断し、行動してほしかった」との声明を出したが、いったい何を意図したものか。


「要件を満たしてもいない」というのは公益通報者保護法が、通報対象事実を重大な法令違反行為に限っていることを指しているのだと思います。しかし、ここで問われるべきは法律の解釈ではなく、倫理の問題です。まさか、朝日新聞は内部通報保護の法律ができるまでは内部告発そのものを悪、と考えていたわけではないでしょう。法律の要件を満たしていないから「間違いだ」というのは短絡的です。

社説は続けて、内部告発に関する考えを述べます。

朝日新聞は国民の知る権利の大切さを唱えてきた。だが外交、防衛、治安情報をはじめ、すべてを同時進行で公にすることがその中身ではない。
 情報の公開とそれに基づく討議は民主主義に欠かせぬという認識を互いに持ち、ケースごとに全体の利益を見すえて公開の当否や時期を判断する。この積み重ねこそが社会を鍛える。


もっともらしいことを述べています。しかし、この尖閣ビデオ流出の事例を「全体の利益を見すえて公開の当否や時期を判断」した結果、どう考えたのかが語られていません。これでは無責任な批判としか言いようがありません。

(略)
まだ真相が見えない。捜査を尽くし事実を解明する。それが、ネット時代の情報の公開や保全のあり方について冷静な議論を進めることにつながる。


話が、「ネット時代の情報の公開や保全のあり方」に飛んでしまいました。たまたま今回はネットを使ったというだけであって、既存のマスコミに持ち込まれた可能性もありました。仮に、朝日新聞にこのビデオが持ち込まれたらどう扱うか、という視点がまるでありません。

ネットへの対応意識からか、あるいは中国に対する思い入れのせいか、冷静さを欠いた社説だと思います。

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