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【朝日新聞】解決を通じて統合深めて

11月24日朝日新聞朝刊オピニオン欄の「私の視点」というコーナーに経済ジャーナリストのスザンヌ・シュミット氏による「欧州債務危機 解決を通じて統合深めて」という一文が載りました。

シュミット氏は、欧州を統合に賛成しています。しかし、なぜ賛成なのかがが伝わりません。それは、シュミット氏が、欧州統合が正しいと決め込んで、後は弁舌でまるめこもうとしているように見えるからです。

まず、シュミット氏が言っているのは、道徳的な面です。

「ドイツが欧州と一体化していなければ、東西ドイツ統一は成功しなかった。欧州最大の経済大国として、ドイツは危機からの脱却に大きな責任を持つ。


ドイツ統一の借りがあるから欧州の債務危機に責任がある、という意見です。私にはピンとこない意見です。百歩譲って、欧州の危機には対処する責任がドイツにあるとしても、欧州統合にまで責任があるとは言えません。

また、欧州統合が自由な社会を支えているかのようなことを主張します。

そのドイツで、戦争を経験した世代が減り、欧州統合への熱意が少なくなっていると言われる。若い世代は「戦争と平和」といった議論に無関心だ。
彼らは戦争とナチスについて学校で何度も聞き、うんざりしている。また、欧州大陸の大部分を自由に旅行でき、自分の意見を自由に表明できるのは当然で、そうでないことを想像できないのだ。


西側にはユーロ以前から言論の自由がありました。東側も社会主義体制が崩壊したあとは西側と同じような自由を享受できるようになりました。つまり欧州統合と言論の自由は関係ありません。シュミット氏より「若い世代」の方が正しいのです。

さらに、経済的な利益につながるようなことも書いています。

経済的にも政治的にも権力の重心はアジアへ移っており、世界の多極化は今後数十年は続く。欧州が危機を脱する過程で、統合をさらに深めることができれば、世界における欧州の重要性が現在より少しは強まることが期待できる。


欧州が危機を脱したら欧州の重要性は相対的に強まるのはわかります。しかし、統合を深めるとなぜ重要性が増すのかが説明されていません。

この一文を読んで、「人口激減」という本と同じ読後感を持ちました。自分の主張を説得するために、倫理だったり損得だったりを駆使して、結局説得力を失っているところが似ています。

※「人口激減」の感想は、ここです。
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