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【朝日新聞】沖縄基地問題の報道

3月13日朝日新聞朝刊オピニオン欄の「わたしの紙面批評」で朝日新聞紙面審議会委員の内田樹氏が、「沖縄の基地問題の報道:変化した米の西太平洋軍略 沖縄撤収の条件に踏み込め」という文を載せています。

(前略)
まことに不思議なことに「アメリカの西太平洋戦略は何か?」というもっともラジカルな問いを日本の政治家も官僚もメディアも問わないのである。
もちろん「軍拡を進める中国の脅威」とか「朝鮮半島有事への備え」とか「ロシアの領土的野心」という観念的な言葉は繰り返し口にされている。だが、それらの言葉が指し示す実際の地政学的状況は時々刻々と変化している。
中国市場はアメリカ経済の「頼みの綱」であり、米中間の軍事的緊張が高まることから利益を得られるものは両国どちらにもほとんどない。米ロ関係は東西冷戦時代からは、想像もできないほどに良好である。
(中略)
今のアメリカにはもう巨額の国防費負担に耐えられるだけの財政的な体力がない。だから、共和党の大統領候補の一人ロン・ポールは在外米軍基地の全面的な撤収を公約に掲げているのだ。この公約が米国内で一定の支持を得ている以上、日本のメディアは「アメリカはどういう条件が整えば沖縄から出ていってもよい」と考えているのか、踏み込んだ取材活動を行ってもよいのではないか。だが、メディアはこの論件には全く興味がないらしく、私が知りたいことは何も報道してくれない。
いずれにせよ、西太平洋の地政学的布置の変化に伴って、米軍の軍略に大きな変化が生じていることは確かである。にもかかわらず日本政府は「沖縄の軍事基地の重要性は変わらない」と主張し続けており、メディアもそれに追随している。だが、地政学上の大きな変化にもかかわらずその重要性が変化しない軍事基地が存在するとすれば、それはロジカルには「地政学上全く重要性のない基地」以外にない。
私はこのような知性の不調を指すときに「思考停止」という以外の言葉を思いつかない。



「地政学上」なるものが、日本の都合のことを言っているのか、米国の都合のことを指しているのか区別がつきません。

仮に、米中ともに軍事的緊張が増すことをよしとしないというのが本当だとします。その場合、日中が軍事的に衝突をしながら米国が傍観する、というのは日本にとっては最悪の事態です。これを抑止できるのであれば、日本にとって米軍基地は依然として重要と考えるべきです。

米ロ関係は冷戦時代より良好なのは事実だと私も認識しますが、仮にロシアが「領土的野心」を具体化したら、日本にとって困ったことになるかもしれません。米国の都合はともかく、日本にとっては不都合です。

日本人にとって重要なのは、日本(沖縄でなくてもよいですが)に米軍基地があることの必要性の有無です。内田氏の説明では、日本にとって地政学上意味を失っているということを説得できていません。


もし、米国にとって沖縄基地に意味がないのであれば、日本が何を言おうと彼らは勝手に出て行くはずです。米国政府や米軍も「思考停止」して沖縄の基地を維持しているとでもいうのでしょうか。仏現代思想が専門の先生にとっては畑違いの分野に対して、あまりにも自信を持ちすぎているように思います。

米国にとって日本に基地がある「地政学上の理由」は依然として残っていると考えるのが自然です。素直に考えれば必要だから、居続けようとしているのではないでしょうか。


アメリカが巨額な国防費負担に耐えられないから海外基地を全面撤退させたいというのが本当なら、「アメリカはどういう条件が整えば沖縄から出ていってもよい」のかなどと考える必要はありません。前提で国防費負担に耐えられないといっています。「どういう条件」も何もありません。無条件で出て行くはずです。内田氏は自分が立てた前提を忘れて書いているのでしょうか。


私には、内田氏の方こそが「観念的」になっているように見えます。

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