FC2ブログ

【朝日新聞】北朝鮮 出稼ぎ哀史

6月24日朝日新聞朝刊 1面に「動く極東 北朝鮮ビジネス 上 北朝鮮 出稼ぎ哀史」という記事が載りました。

見出しに「出稼ぎ哀史」とつけたように、記者の意図は、北朝鮮労働者が国外で苦労していることを強調しようとしているようです。しかし、よく読むとそれとは別の印象を持たざるをえません。

引用します。

5月下旬のロシア。シベリア鉄道沿線にある小さなホテルに小柄な男が入ってきた。おびえた様子。しきりに辺りをうかがった。北朝鮮の元伐採工(49)。「賃金収奪」「人権侵害」で悪名高い、北朝鮮国外労働の経験者で、逃亡者だ。
軍人だった彼がロシア行きを志願したのは1995年9月。「苦難の行軍」と呼ばれた食糧危機で配給は途絶え、地方都市では餓死者が出ていた。「食べるためだった」と振り返る。
(中略)
ロシア最大の北朝鮮伐採現場があったアムール州ティグダ。約700人が働く第13事業所が彼の仕事場だった。朝8時から夜10時ごろまでカラマツなどを伐採して駅に運んだ。伐採、選別、運搬、貨車積み込みの四つの作業にそれぞれ2人ずつ、計8人が一つの小隊を作った。事業所全体で毎年3~4人が事故で死ぬ「強制収用所」だった。毎月の伐採量のノルマは3千立方メートル。機材も足りず、ほとんど達成できなかった。
他の伐採工らの証言によれば、当時の月収は、伐採の最盛期で2千~2千ドル(約16万~24万)、平均で500ドル程度だった。このうち7割以上は国がピンハネする。だから彼が記憶する手取りの最高額は160ドル。さらに事業所から「故郷の家族に半額を送金しておいた」と言われ、取り分は80ドルになっていた。しかも紙の証文だけで現金はもらえなかった。本当の稼ぎがいくらなのか、最後まで教えてもらえなかった。
(中略)
北朝鮮の国外労働者は派遣期間が一律3年と決まっている。だが、何とか現金を稼ぎたくて、事業所の朝鮮労働党と国家安全保衛部の責任者、行政支配人らに少しずつ賄賂を渡して見逃してもらい、ロシアに居残った。幹部の信頼を得た2000年ごろから、伐採現場を離れ、しばしば「請負」と呼ばれるアルバイトに精を出した。
1週間ぐらい道路建設などの現場で働けば、2千ルーブル(約4800円)になった。ウラジオストックなどの市街地で働く北朝鮮労働者の多くが、こうしたわずかな現金を稼いでいるという。帰国後の豊かな生活を夢見て、こつこつお金をためている。北朝鮮関係筋は「つらい仕事だが、国内にいるよりまし。最近は希望者も多い」と語る
(後略)
(ハバロフスク=牧野愛博)


まず、北朝鮮が労働者からピンハネしていることは分かりますが、数字に疑問があります。最盛期に2千~3千ドル稼いでいて、そこから7割ピンハネされるので手取りの最高額は600ドル~900ドルのはずです。「手取りの最高額は160ドル」はありえません。さらに「紙の証文だけで現金はもらえなかった。本当の稼ぎがいくらなのか、最後まで教えてもらえなかった」とあり、ただ働きをしたかのように書いています。しかし、はじめに登場した伐採工は賄賂を渡したりしているので、あきらかに現金を受け取っています。何が真実なのかこれではよくわかりません。

『毎年3~4人が事故で死ぬ「強制収用所」』と書いていますが、国外労働を希望したのは本人です。「強制」でもなんでもありません。賄賂を渡して居残ろうとする「強制収容所」などあり得ません。また、仕事をサボって別のアルバイトに出かけられるくらいの縛りです。

また、みんなが彼のようにアルバイトに出かけるようになったらノルマの達成は無理でしょう。一概に機材のせいとばかりとは思えません。

「国内にいるよりまし。最近は希望者も多い」などと関係筋が言っているようでは、「出稼ぎ哀史」というのは実態を正しくあらわしているとは思えません。

リンク先にも牧野氏の記事への感想があります
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

sidetitleプロフィールsidetitle

えいび

Author:えいび
日々の出来事、映画やアニメの感想です。

sidetitle最新記事sidetitle
sidetitle最新コメントsidetitle
sidetitle最新トラックバックsidetitle
sidetitle月別アーカイブsidetitle
sidetitleカテゴリsidetitle
sidetitleFC2カウンターsidetitle
sidetitle検索フォームsidetitle
sidetitleRSSリンクの表示sidetitle
sidetitleリンクsidetitle