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【朝日新聞】わたしの紙面批評:領土問題の緊迫化

9月11日 朝日新聞紙面審議会委員で神戸女学院大名誉教授の内田樹さんが「領土問題の緊迫化」という文を載せています。

 竹島と尖閣で領土をめぐる問題が緊迫化している。領土問題を論じる場合につねに念頭に置いておくべきだが、新聞があまり書いてくれないことが二つある。それを備忘のためにここに記しておきたい。
 第一は領土問題の解決方法は二つしかないということである。一つは戦争。勝った方が領土を獲得する。もう一つは外交交渉。双方が同程度の不満を持って終わる「五分五分の痛み分け」である。
(略)
 第二も新聞が書きたがらないことなので、ここに大書しておく。それは日本の場合、領土問題は2カ国問題ではなく、米国を含めた3カ国問題だということである。
 米国は竹島、尖閣、北方領土のすべての「見えない当事者」である。これらの領土問題について、問題が解決しないで、日本が隣国と軍事的衝突に至らない程度の相互不信と対立のうちにあることによって自国の国益が最大化するように米国の西太平洋戦略は設計されている。
 もし領土問題が円満解決し、日中韓台の相互理解・相互依存関係が深まると、米国抜きの「東アジア共同体」構想が現実味を帯びてくる。それは米西戦争以来120年にわたる米国の西太平洋戦略の終焉を意味している。米国は全力でそれを阻止しなければならない。
 私は米国が「悪い」と言っているのではない。自国の国益を最優先に配慮して行動するのは当然のことである。9月4日朝刊3面「米、尖閣対立に危機感」のような記事もあったが、私がここで言う視点とは違う。領土問題で、米国の国益と日本の国益が背馳することもあるという自明のことを新聞は報じたがらないので、ここに記すのである。


内田氏の第二の指摘には賛成できかねます。

米国が日露・日中・日韓の相互不信を望んでいるとしても、具体的に米国が何をしたのか、あるいは何をしないことでその状況を作っているのか内田氏は語っていません。

そもそも米国には、ロシア(あるいは旧ソ連)や中国に影響力を行使できるはずがありません。日本と争わせるために、北方領土から手を引かないように米国がクレムリンに命令していた、とでもいうのでしょうか。あるいは、日本と争わせるために、尖閣諸島を狙うように北京をたきつけたとでもいうのでしょうか。常識的には考えられません。

ただし、韓国には影響力はあります。韓国が竹島を不法占拠した初期の段階で、米国は韓国に手を引かせることができたはずです。しかし、その時点で、「東アジア共同体」の出現を嫌って日韓が争うように放置したなどというのは妄想に近いものがあります。

内田氏の主張は、典型的な陰謀論のたぐいです。

内田樹氏の文章への感想は、以下にもあります。
【朝日新聞】沖縄基地問題の報道
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