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【朝日新聞】社説余滴:いじめ対策、特効薬はない

10月18日朝日新聞朝刊オピニオン欄から、事件・教育社説担当の各務滋氏による「いじめ対策、特効薬はない」より引用します。

 文部科学省が、いじめ防止に出席停止制度を積極活用すべく検討している。東京都品川区や大阪市はいち早く方針として打ち出した。
 公立小中学校は、いじめっ子を停学や退学にはできない。深刻ないじめの場合、まず被害者と加害者を引き離さなくては、と私も思う。
 ただ、いじめにこの制度を使った例は全国の中学で10年間に23件しかない効果があるなら、なぜ使われてこなかったのか。引っかかる。
 ある先生に会った。かつて勤め先の中学校で、生徒指導主任としていじめで出席停止になった生徒と関わった。今は教育委員会に勤めている。
 その先生が「少々期待が大きすぎると感じます。出席停止が効果的なケースはそう多くありません」という。
 まず、加害者の親に協力してもらうのが難しい。出席停止は「罰」ではない。教室を落ち着かせるのと、生徒を立ち直らせていじめをやめさせる「指導」が目的だ。親の協力がないとうまくいかないが、そもそもいじめを認めようとしない親が多い。だから、なかなか踏み切れない。
 この教え子の場合は被害者が不登校になったため、親も「迷惑をかけた」と認識していた。トラブルのたびに親が来校し、信頼関係ができていたことも幸いした。
 出席停止は長くて2~3週間だ。その間、生徒は教委などに通って勉強し、合間にカウンセリングも受ける。しかし、出席停止だけでよくなることはほとんどないという。
 いじめた生徒は、いずれ学校に戻ってくる。大切なのはむしろその後だ。卒業まで息長く立ち直りを支える。出席停止にする、しないにかかわらず、やるべきことは変わらない。
 先生の場合、この生徒と卒業後も付き合いを続け、社会人として活躍するのを見届けているという。
 出席停止になると「突き放された」と感じる子も多い。先生は「そうなっては逆効果。いま現場では『出席停止以前にできることをさがそう』という考え方が強い」と話す。出席停止は手段の一つにすぎない。大切なのは、本人のためになるかどうかということなのだろう。
 聞いていて、いじめで自殺した子の遺族が「先生は加害者にこそ寄り添ってほしい」と言ったのを思い返した。理想論ではなく、加害者を立ち直らせない限りいじめはなくせないという苦い現実論だと思う。


学校は教育機関なのですから、いじめの加害者もまともな大人になるように教育・指導するのが基本です。まして義務教育で公立校となれば、加害者を排除して終わり、というわけにはいきません。

しかしながら、いじめの加害者と被害者のどちらかを救わなければならないとしたら、被害者を救うべきです。加害者が「突き放された」と感じたとしても、仕方のないこともあります。なにもしないのは被害者を見離したことになります。

繰り返しますが、子供のことですので両方救えるなら救うべきです。ただし、どちらかを選ばない場合は被害者を優先すべきだ、と言っているだけです。

また、各務氏が取材した元先生の意見も理解しにくいものがあります。素直に読む限り、この元先生の体験したことは出席停止制度の成功例です。自分が成功したのに、効果に疑問を感じているのはよくわかりません。むしろ、こうすれば成功する、と積極的に提言してもよさそうなものです。

そもそも、「10年間に23件しかない」のですから、効果や副作用などまだわからない、というのが実態だと思います。「出席停止だけでよくなることはほとんどない」というのは23件のうち何件なのでしょうか。事例が少なすぎて判断できません。

「効果があるなら、なぜ使われてこなかったのか」は、劇薬を使用することを学校がためらっていただけでしょう。特に疑問を感じません。

文部科学省も「特効薬」だとは言っていないはずです。それでも対策を考えている文科省の方が、斜に構えている(ように見える)新聞記者よりも、いじめ問題に向き合っているように思いました。

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