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【本】戦場の都市伝説


戦場の都市伝説 (幻冬舎新書)戦場の都市伝説 (幻冬舎新書)
(2012/09/28)
石井 光太

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戦地で拾った奇妙な噂を集めた本です。「都市伝説」という題名ですが、純粋な幽霊譚も収拾しています。また、時間軸も第二次大戦から現在まで幅広く集めています。「幅広く」といえば褒め言葉ですが、「脈絡がない」とも言えます。本全体でどうのこうのというより、個々の話を味わって読めばよいのかもしれません。

文化によって死んだ人間への理解が異なるので、「幽霊」のあらわれ方も異なるというのが面白かったです。ただし、著者は文化比較の専門家ではなく、色々なことに手を出しているノンヒィクションライターですので、多少割り引いて読む必要はあります。

幽霊話は頭から真実だとは思いませんが、「都市伝説」っぽい話は本当のことなのかもしれません。しかし、著者は特に真偽を追求しようという方針ではありません。ひたすら色々な話を集めているだけです。

話を集めるだけならそれでも価値はあるのですが、著者特有の「解説」はあまり面白くありません。余計な落ちをつけている感じです。例えば、第十六話の「せきとめられた大河 – 南京大虐殺」から引用してみます。前段で、南京大虐殺の犠牲者が幽霊となってあらわれ、多数の犠牲者が出たことを訴えかける話を紹介しています。

こうした中国人のかたくななまでの反日感情を嘲る日本人は少なくないだろう。「百人斬りなんてあり得ない」「南京大虐殺の犠牲者はせいぜい数万人程度だ」と言うのはたやすいし、正論かもしれない。
しかし、それで話を終えてしまったら、この怪談を語る中国人の心情はわからない。殺された中国人の立場になってもらいたい。もし加害者である日本人に「あれは中国政府のプロパガンダだ」「中国人の公表する犠牲者数は誇張だ」と言われたら、どんな気持ちがするだろうか。中国人が「日本人の都合の良いように語るな」と反論したくなるのは当然ではないか。


私にはまったく「当然」とは思えませんでした。事実か否かは、民族や政治的立場とは無関係に論じるべきです。事実を指摘して気分が悪くなる人がいてもしかたありません。

著者の意見表明ははちょっと鼻につきました。
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