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【朝日新聞】私の視点:道徳の教科化 教師の意欲、後押し必要

8月1日朝日新聞オピニオン欄「私の視点」コーナー。元小学校教員・深澤久氏の「道徳の教科化 教師の意欲、後押し必要」より。

(略) 
 教育再生実行会議の提言は「学校や教員によって指導の内容や方法の充実度に差がある」状況を変えるため、としている。だが、おそらく大半の教師は「教科化する必要はない」と考えているだろう。「道徳の時間」が教科でないことが問題なのではないからだ。
 必要なのは、名称を「道徳科」に変えることではなく、今ある「道徳の時間」をより充実させ、子どもの心と体に響く効果あるものにしていくことだ。そのための具体策を構想、実行する取り組みなくして、実態は変わらない。
 実行会議が打ち出す道徳の教科化は教育現場から生まれたものではない。子どもと日々向き合って授業をしているのは、教育長でも首長でも実行会議のメンバーでもない。現場の教師だ。よって、教師に道徳の授業を構想・展開する力量をつけることが重要だ。
 今から26年前、私は担任する6年生に、「命は大切」という言葉をただ教えるのではなく命の重さを感じ取らせたいと考え、こんな道徳授業を行った。まず「あなたの大切な人に値段を付けるといくら?」と問う。そして人体成分表を示し、物質の値段に換算すると3千円になるという“事実”を伝える。すると、子どもたちから次々と反論が出される。その後「いじめで自殺」「日航機墜落事故」の新聞記事を提示していく。
 「命の授業」と呼ばれ、今なお全国の教室で他の先生方に追実践されているが、この授業の様子を公表した当初は各地で管理職や教育委員会の指導主事から批判された。「これは道徳授業ではない」「文部省(当時)の読み物資料を使っていないから」「○○方式でないから」などの理由で、授業をすることすら許されなかった事例も少なからずあった。今までの道徳授業とは全く違う試みが、やる前からつぶされたのである。
 こういうことを繰り返してはならない。特定の方法を絶対視し、それ以外のやり方はダメというやり方では豊かな実践は生まれない。教師の意欲的・創造的・挑戦的な試みを推奨する風土を教育現場でつくる必要がある。政府にはその後押しこそして頂きたい。最前線の教師たちが「よし、やるぞ!」とならなければ、教育現場は動かず、変わらないのだから。


前提として、私は道徳を教科にすることも、深澤氏のいう道徳教育の充実にも賛成していません。

現在の日本の若年層の道徳が劣化しているとは見ていません。犯罪発生率は年々下がっています。一昔前に街にうようよしていた不良学生を今やほとんど見かけません。先の東日本大震災でも、一般の日本人の行動は賞賛に値するものでした。こうした状況下でなぜ道徳教育の充実が必要なのか、さっぱり理解できません。

まず、深澤氏は、教師に道徳の授業を構想する権限を委譲せよ、教育長や首長や実行会議のメンバーは口出しするな、という意味のことを主張しています。それは、「子どもと日々向き合って授業をしているのは」「現場の教師だ」から、という理由です。

悪しき現場主義の一例にしか見えません。

私塾でない以上、教員は組織の一員として振る舞うのは当然です。授業を企画する権限が与えられたなら企画してもいいですが、権限がないのに「現場だから」といった理由で勝手に振る舞うのが許されるわけがありません。

工場のラインで現場の労働者が権限を持たずに勝手に手順を変えるのが許されないのと同じです。権限の範囲で改善するのは結構です。提案するのも結構です。しかし権限もなしに勝手なまねは許されません。

特に、このような思想に関わる教育を現場の教師が好きにするのが良いことだとはとても思えません。

また、深澤氏の「命の授業」は、道徳教育というより思想教育といった方が近いように思います。小学生が大人からこのような問いかけを受ければ、大人の思った方向に誘導されていくのは明らかです。

私の小学生時代も、似たような「思想教育」を受けましたが、現在の私の人格に影響はありません。こうした「思想教育」は教員の自己満足に過ぎません。

学校は、勉強を教えることに専念して欲しいと思います。


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