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【朝日新聞】(インタビュー)安倍政権と戦争の記憶

8月20日朝日新聞朝刊オピニオン欄に歴史家のキャロル・グラック氏のインタビューが掲載されました。

(略)
 ――安倍首相は終戦の日の全国戦没者追悼式で、アジア諸国に対する加害責任に触れませんでした。
 「安倍首相を含む自民党の右派政治家たちは長い間、戦後問題やナショナリズムに関わることを国内政治扱いしてきました。加害責任を否定することで、国内の支持を得ようとしてきた。彼らはまるで、自分たちの話す日本語は海外ではまったく理解されないと思っているようです。実際はソウルや北京やワシントンにすぐに流れるというのに。これは一種の『地政学的無神経』です」
 ――なぜ日本ばかりが謝罪しなければならないのか、という疑問を持つ人もいます。
 「この20年ほどで、戦争の記憶に関する『グローバル記憶文化』とでも呼ぶべきものが生まれました。それは、国家が過去に行った行為について新しい国際規範ができた、ということを意味します」
 「戦後すぐは、その規範は存在しませんでした。国家の首脳は50年代、『ごめんなさい』と言って回ったりはしなかった。この『謝罪ポリティクス』につながる新しい記憶文化が生まれた理由のひとつはホロコーストです。欧州連合(EU)が創設される過程でホロコーストはヨーロッパ共通の記憶になりました。多くの国が追悼の日を設け、教育を始めた。EUが90年代以降に北・東欧に広がると、この記憶も広がった。私は『溶媒効果』と呼んでいます」
 「トルコを例にとると、オスマン帝国末期のアルメニア人虐殺をトルコ政府が認めないことを、EUは重大視しています。EUの一員になるにはグローバル記憶文化の共有が要求されるのです。EUがトルコ加入に難色を示す理由として、これは明らかに政治利用されています」
(略)
 「90年代、世界各国で新しいナショナリズムが生まれました。冷戦が終わり、不確実に変化する世界秩序を前に、経済的な繁栄を譲り渡さなければならないと感じた先進諸国が直面した問題です。このポスト冷戦期、日本にもたらされた最も大きな変化は、アジア諸国の成長、特に中国の台頭でした。東アジアで経済関係がこれほど分厚く広がったことはかつてありません。地政学上の大きな変動は緊張をもたらします。ナショナリズムの矛先が中国、韓国に向かうのは、そのためです」
 「90年代からずっと言い続けているのですが、日本はグローバルプレーヤーになる努力をするべきです。非核国で、兵器も売らず、かつ世界有数の経済大国という稀有な国です。ノルウェーが平和交渉の仲介役をするように、他国がしない隙間の役割を見つけるべきでしょう。クール・ジャパンだけでは無理でも、もっと多面的なソフトパワーを武器にして、何かできるはずです」
 「それは、台頭する中国にどう対処するか、という問いへの答えでもあります。軍備に軍備で対抗するのは、ばかげていますから」
     


インタビュアーはニューヨーク支局長の真鍋弘樹氏


> ――安倍首相は終戦の日の全国戦没者追悼式で、アジア諸国に対する加害責任に触れませんでした。
 「安倍首相を含む自民党の右派政治家たちは長い間、戦後問題やナショナリズムに関わることを国内政治扱いしてきました。加害責任を否定することで、国内の支持を得ようとしてきた。彼らはまるで、自分たちの話す日本語は海外ではまったく理解されないと思っているようです。実際はソウルや北京やワシントンにすぐに流れるというのに。これは一種の『地政学的無神経』です」

これは質問と回答が本当に合っているのか疑問に思いました。今回の全国戦没者追悼式で安倍首相が国内向けの発言をしてそれが外国で叩かれた、というのであればこの問答は成り立ちます。しかしそのような事実はありません。加害責任に触れなかったことと、加害責任を否定したことは違います。

記者がグラック氏の発言をつぎはぎして意図を捻じ曲げているのではないかと疑います。


> ――なぜ日本ばかりが謝罪しなければならないのか、という疑問を持つ人もいます。
 「この20年ほどで、戦争の記憶に関する『グローバル記憶文化』とでも呼ぶべきものが生まれました。それは、国家が過去に行った行為について新しい国際規範ができた、ということを意味します」
 「戦後すぐは、その規範は存在しませんでした。国家の首脳は50年代、『ごめんなさい』と言って回ったりはしなかった。この『謝罪ポリティクス』につながる新しい記憶文化が生まれた理由のひとつはホロコーストです。欧州連合(EU)が創設される過程でホロコーストはヨーロッパ共通の記憶になりました。多くの国が追悼の日を設け、教育を始めた。EUが90年代以降に北・東欧に広がると、この記憶も広がった。私は『溶媒効果』と呼んでいます」
 「トルコを例にとると、オスマン帝国末期のアルメニア人虐殺をトルコ政府が認めないことを、EUは重大視しています。EUの一員になるにはグローバル記憶文化の共有が要求されるのです。EUがトルコ加入に難色を示す理由として、これは明らかに政治利用されています」


この問答も謎です。

グラック氏は、トルコの例を「明らかに政治利用されています」と言っているので否定的に捉えています。それであるなら、日本が謝罪しなければならないのも、政治的な理由だと言いたいのでしょうか。しかしグラック氏は「地政学的無神経」を難詰することも言っています。

それはさておき、私は、ヨーロッパ諸国が自分たちのことを棚にあげてオスマン帝国末期の問題でトルコ政府を非難するのは得手勝手だと思います。


> 「90年代、世界各国で新しいナショナリズムが生まれました。冷戦が終わり、不確実に変化する世界秩序を前に、経済的な繁栄を譲り渡さなければならないと感じた先進諸国が直面した問題です。このポスト冷戦期、日本にもたらされた最も大きな変化は、アジア諸国の成長、特に中国の台頭でした。東アジアで経済関係がこれほど分厚く広がったことはかつてありません。地政学上の大きな変動は緊張をもたらします。ナショナリズムの矛先が中国、韓国に向かうのは、そのためです」

経済発展をしたアジア諸国は中韓だけではありません。しかし、現在日本のナショナリズムの矛先は中韓と、経済が崩壊状態の北朝鮮だけです。これは経済発展がナショナリズムの原因になっているとの説を否定するものです。

日本を非難し続けるから、それへの反発が生まれた、と解釈するのが妥当だと思います。


>軍備に軍備で対抗するのは、ばかげていますから

アジアでもアフリカでも植民地支配を許した原因の一つはヨーロッパに比べ軍事力(それを支える経済力・政治力)で劣ったからです。適切な軍事力がなかったために国民は悲惨な目にあいました。軍事力を備えることが馬鹿げているとは思えません。

歴史家が軍事力を馬鹿げているというのは理解しかねます。人類の歴史をどう観察しているのでしょうか。
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