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【朝日新聞】地元志向 昔からある圧倒的な傾向

10月9日朝日新聞朝刊教育面。東大特任教授(地域医療論)の上昌広氏のインタビューです。

 「最近の若者は、地元志向が強い」――。就職や進学の傾向として、よく耳にするようになりました。この話の続きは「チャレンジ精神がない」となり、「だから『ゆとり教育』はダメなんだ」と進みやすいです。
 僕は、このストーリーにとても違和感があります。地元を希望する人が増えていても、それは不景気の影響だとみるべきで、若者の「縮み志向」ではない。何より、地元志向は最近に限った傾向ではないと思うからです。僕の研究室で研修中の慶応大3年の岡田直己さん(22)が、2013年度の大学入試の各大学の合格者の出身地を調査し、分析しました。とても興味深い結果が出ているのでご紹介します。
 東大は関東出身者が55%で、そのうち都内は33・6%。名古屋大は中部出身者が76%で、そのうち愛知県は53・8%にのぼりました。この傾向は、私立大でも変わらず、慶応大は関東出身者が78%(都内は44%)、早稲田大は同77%(同35%)でした。
 つまり、世に言う一流大学でも、大学所在地近くの学生が集まるのです。これは、若者が消極的になったことが原因ではなく、脈々と続く歴史的な流れだと解釈した方がよい圧倒的な傾向です。おそらく就職も同じでしょう。
 多くの人は、身近にいる親や友達の影響を受けて進路を選択します。身近な人が通う大学を進学先としてイメージし、親が働く姿を見て、将来の就職先をイメージする。その結果、地元で学び、働く人が多いのです。もっと前向きに若者をとらえるべきだと思います。
 (聞き手・古田真梨子)


上特認教授は研修中の大学生の調査から「地元志向は最近に限った傾向ではない」としています。

論理がおかしいです。この調査からそんな結論は導けません。最近の傾向か否かを見るには、現在と過去のデータを比較する必要があります。過去と同じくらいの程度であれば、「最近に限った傾向ではない」と言えますし、過去より傾向が強まっていれば「最近の傾向だ」と言えます。しかし、この大学生の調査は2013年のものだけです。したがって傾向については何も言えません。

なお、この大学生の調査を貶めるつもりはありません。単年度だけでも面白い調査だと思います。あくまで上特認教授の論理が飛躍しているというのが私の主張です。

ついでに一言。大学の先生が自分の研究室で研修している学生に対して「さん」付けするのは違和感があります。研究室の中だけなら先生が学生に「さん」付けしても構いません。そういう人間関係もあるのでしょう。しかし新聞のインタビューという外部へ向けた場であるなら、「君」がふさわしいと思います。

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