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【朝日新聞】記者有論:秘密保護法案 自由の「外堀」埋めさせぬ

11月29日朝日新聞朝刊オピニオン欄。駒野剛氏の記者有論『秘密保護法案 自由の「外堀」埋めさせぬ』です。

 言論・思想信条の自由の侵害はある瞬間、一斉に起こるわけではない。少しずつ「自由」の周囲の堀を埋める作業が、権力者によって積み重ねられ、いつしか、にっちもさっちもいかなくなる。戦前の経験を見れば、そう思える。
 昭和7(1932)年、上智大学などカトリック系学校と陸軍の間で問題が生じた。
 上智大では5月5日、軍事教練のため配属されていた陸軍将校が、学生60人を引率して靖国神社を参拝した。この直前、満州事変の戦没者の招魂式や大祭などがあったためだが、学生数人が信仰上の理由から参拝しなかった。
 問題視した陸軍側は配属将校の引き揚げを表明する。何でもないようなことだが、実は学生にとって著しい不利と背中合わせとなっていた。
 このころの大学生は軍事教練を履修すると軍隊での在営服務が短縮される恩典があった。一般の兵ではなく、幹部候補生にもなれた。
 陸軍はこうした効用を見越していたのだろう。在校生から不安の声が上がり、入学志願者が確保できなくなる恐れが生じるなど、学校経営上、著しい不都合が懸念される状況に陥った。更に、新聞が事態を混迷させる。参拝拒否から5カ月後、報知新聞が学校名を匿名にしながら、この問題を報道。他の新聞も批判的論調の記事を掲載して、上智大やカトリック教会を批判する世論が強まっていく。
 結局、上智大側が陸軍に「皇軍は仁義の師」「中外欽慕する」対象であり「学長既に悔い、既に改め、荊を負うて潔く軍門にまつ」との陳情書を提出するなど屈服する形で配属将校が復帰した。
 大日本帝国憲法も「日本臣民ハ安寧秩序ヲ妨ケス及臣民タルノ義務ニ背カサル限ニ於テ信教ノ自由ヲ有ス」と、限定付きながら信仰の自由を認めていた。陸軍は配属将校の派遣という裁量を脅し道具に使い、自由を破壊したのだ。
 政府は特定秘密保護法案を、多くの国民が反対し、疑問を抱く中、成立させようとしている。いったん「自由」を縛ることができる手段を、権力を持つものに与えてしまうと、後は彼らの裁量、さじ加減で何とでもなることを、参拝拒否事件は示している。
 上智大は、事態のさなか、国内初の新聞学科を開設した。健全なジャーナリズムが権力を監視し、暴政を防ぐ道具になると願ったからだ。「自由」を縛る秘密保護法は戦前への逆戻りであり、廃案しかあり得ない。


上智大学のエピソードは初めて知りました。興味深かったです。しかし駒野氏の主張には感心しません。

素直に読む限り、陸軍が理不尽とは思えません。参拝しない学生を斬り捨てたとかではなく、持っていた特権を廃止しようとしただけです。つまり一般人並みの扱いにしただけです。「陸軍は配属将校の派遣という裁量を脅し道具に使い、自由を破壊した」との指摘はあたっていません。特権を廃止しようとしたというのが実態です。

余談ですが、真に信仰に殉じているのであればこの処置を堂々と受け入れるべきでした。かつてのキリスト教殉教者は死すら恐れませんでした。たかが、在営服務が普通並みになることや幹部候補生になれないことぐらいで腰砕けになるとは、かっこ悪いです。

私も秘密保護法には懸念を持っていますが、このエピソードから秘密保護法の廃止を訴えるのはかなり無理があります。
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