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【朝日新聞】オピニオン欄:大相撲のない日本

2月25日の朝日新聞朝刊のオピニオン欄で「大相撲のない日本」という題で、劇作家の山崎正和氏が、八百長問題で揺れる相撲に関して意見を書いています。

前段で、相撲が「国技」と呼ばれるようになったのは歴史的経緯からみて間違っている。後段では、「国技」ではないのだから、衰退するならそれでもいいじゃないか、と主張しています。

後段から引用します。

(前略)
さて、八百長問題です。これは今の相撲界では防げません。新弟子のことから寝食をともにし、おかみさんの世話になり、兄弟子にしごかれ、という前近代的な擬似家族の関係があるのです。相撲界は、そんな間柄の部屋で構成する一族です。親しい力士が十両から幕下へ転落する危機にある、となったときにフッと力が抜けることを誰がとがめられるでしょうか。賭博と結びついていない限りは、どっちが勝っても面白ければそれでいいんです。
あまり露骨に八百長をやれば、真剣勝負を楽しんでいた人は去っていき、それでも相撲が好きだという人が残る。それだけのことです。市場原理に委ねればいい。お客を楽しませるのがプロスポーツですから、相撲協会が真剣勝負が魅力だというなら、そうすればいい。一方で八百長があったとしても、お客が楽しんでいるなら、またそれでいいのです。司法で断罪をするような形で八百長の全容解明みたいなことをするのは、あまり賛成できません。プロスポーツの魅力は均質なものではありません。
国技と名乗って国の監視下にあるから、八百長はけしからんと言われるのであって、国と関係なければ、八百長だなんだと騒ぐ必要がありますか。相撲協会が国技だと言いたいなら言えばいいが、国が優遇する必要は、まったくありません。プロレスだって何だって、あらゆる格闘技が、国とは何の関係もなくやっているじゃないですか。国技の名の下に、大相撲を権威化、神格化したことが、禍根を残したのです。
もしファンが見放して、大相撲がなくなるなら、私はそれで構わないと思っています。確かに大相撲のファンは多い。なくなれば、寂しい思いをする人も多いでしょう。しかし、これは習慣の問題で、歴史の中になくなったものは、帯刀やちょんまげなどいっぱいあるんです。今ある伝統文化をすべて残すとすれば、お金がいくらあっても足りません。
雪舟の名画、これは保存しなきゃなりません。しかし相撲は今も生きている興行営業なのです。


現在、問題になっている八百長疑惑は、金銭で星の売買をした、というものです。十両から転落しそうな相手力士に力をつくせないこととは別のことです。山崎氏は、問題をすりかえて矮小化しています。

>国の監視下にあるから、八百長はけしからんと言われるのであって、国と関係なければ、八百長だなんだと騒ぐ必要がありますか。

これも間違いです。かつて、プロ野球も八百長問題で騒ぎになりました。ファンが八百長を認めないから騒いでいるのです。

>あまり露骨に八百長をやれば、真剣勝負を楽しんでいた人は去っていき、それでも相撲が好きだという人が残る。それだけのことです。市場原理に委ねればいい。

市場原理に委ねるのは結構です。しかし、山崎氏が理解していないのは、大相撲ファンは真剣勝負を望んでいる、ということです。金銭で星のやりとりをする八百長を相撲ファンは許さないのです。

つきつめて言えば、山崎氏自身が相撲ファンでないから、無くなってもいいです、と言っているだけです。興味がないものが無くなっても、その人にとっては構わないでしょう。しかし、こんな意見には、新聞で大仰に開陳するような価値はありません。


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