【本】エヴァンゲリオン化する社会

著者:常見陽平

「エヴァンゲリオン」というのはアニメ「新世紀エヴァンゲリオン」のことです。

「エヴァンゲリオン」で描かれた世界が、現代社会の、特に労働者の働き方を予言していたかのように一致する部分があるという考察で進めています。

サブカルチャーをもとに現代社会を論じる社会学的考察はどういうわけか日本では目に付きます。外国のことはよく知らないのですが、他所の国にもあるのでしょうか。「スターウォーズ化する米国社会」とか「ハリー・ポッターが予言する英国の未来」とか。どうも想像がつきません。日本だけで流行っているような気がします。

それはともかく、この手の論は、単なる偶然の羅列や、牽強付会の理屈に満ちているのがほとんどで、この本も例外ではありません。

普通に労働環境について語った方がよっぽど説得力があります。売れないかもしれませんが。

ただ、常見氏はきちんと「エヴァンゲリオン」を視聴しているのは確かで、その点は好感が持てました。

【朝日新聞】移民が日本の「切り札」だって?

7月16日朝日新聞の「日曜に想う」のコーナーは、編集委員大野博人氏の『日本が温存する「切り札」』です。

(略)
暴力団員の4割超が50歳以上――。少し前、そんな話を小紙東京本社版の夕刊で見た。「暴力団排除条例が施行された影響で、組員になろうとする若者がめっきり減った」ことなどが理由という。
 なるほどこうやって暴力団は衰弱していくのか、などと思いつつ、ふと考えた人も少なくなかったのではないか。自分たちはどうなんだろう、と。
 国立社会保障・人口問題研究所の統計に当たってみる。その2015年の調査データによると、日本の総人口の中で50歳以上の割合は45・7%。実は一般社会が暴力団よりずっと先に進んでいる。
(略) 
 「地方創生や1億総活躍を言っても加速度的に人口が減る中では意味がない」と話すのは、日本国際交流センター執行理事の毛受(めんじゅ)敏浩さん。近著「限界国家」で、積極的な移民受け入れ政策にかじを切るべきだと主張している。「同じように考える政治家は多いはず。カミングアウトしてほしい」ともどかしそうだ。
(略) 
 もう10年以上前に、毛受さんは欧州で移民政策の専門家から「日本はダチョウのようだ」といわれた。迫り来る人口動態の危機を、砂の中に頭を埋めて、ただ見ないようにしている。「閉鎖的な国が最後にどうなるか、それを示す反面教師みたいに海外から見られています」
(略)


変な理屈です。

暴力団員には生まれたばかりの赤ん坊もいなければ、超高齢者の老人もそうはいないでしょう。暴力団員の4割超が50歳以上なのと、日本の総人口で50歳以上が45.7%なのは同じ土俵で語ることではありません。

暴力団の年齢構成のいびつさは、社員の4割超が50歳以上の会社を仮想してみればだいたい想像がつきます。

さて、移民問題については毛受氏の本のレビューでも語っていますので繰り返しませんが、欧州で10年以上前に『移民政策の専門家から「日本はダチョウのようだ」といわれた』というのがおかしかったです。

移民を受け入れ続けた欧州はのたうち苦しんでいるように日本からは(少なくとも私からは)見えます。この移民政策の専門家も、自国のことは棚にあげて、いまだに「日本はダチョウ」のようだ、と思っているのでしょうか。

ところで、冒頭で暴力団員の年齢構成と国の年齢構成を比較するのはおかしい、と指摘しましたが、よく考えると関係することがないわけでもない、と思い至りました。

移民を受け入れて日本の年齢構成を若返らせたら、暴力団員も移民によって若返ることでしょう。

それだけでもまっぴらごめんです。

参)【本】人口激減 移民は日本に必要である

【アニメ】2017夏調査(2017/4-6月期、終了アニメ、47+3作品) 第45回

アニメ調査室(仮)さんで行っているアンケートに投稿しました。

評価基準は
S : とても良い(第3回より追加)
A : 良い
B : まあ良い
C : 普通
D : やや悪い
E : 悪い
F : 見切り、視聴はしたが中止(または見逃しが多い)
x : 視聴なし、(または視聴中のため評価保留)
z : 視聴不可(わかる範囲で良いです)

01,つぐもも,x
02,恋愛暴君,x
03,カブキブ!,x
04,月がきれい,x
05,ひなこのーと,x
06,アリスと蔵六,x
07,正解するカド,C
08,覆面系ノイズ,x
09,スタミュ 第2期,x
10,エロマンガ先生,x

11,ベルセルク次篇,B
12,タイガーマスクW,F
13,ソード・オラトリア,x
14,アトム ザ・ビギニング,F
15,リトルウィッチアカデミア,x
16,アキンド星のリトル・ペソ,x
17,クロックワーク・プラネット,x
18,まけるな!! あくのぐんだん!,x
19,ワールドフールニュース PartII,x
20,戦隊ヒーロー スキヤキフォース,x

21,グランブルーファンタジー ジ・アニメーション,F
22,終末なにしてますか? 忙しいですか? 救ってもらっていいですか?,x
23,アイドルマスター シンデレラガールズ劇場,x
24,レゴニンジャゴー 時空の支配者編,x
25,ロクでなし魔術講師と禁忌教典,x
26,冴えない彼女の育てかた♭,x
27,僧侶と交わる色欲の夜に…,x
28,武装少女マキャヴェリズム,A
29,銀の墓守り(ガーディアン),E
30,フレームアームズ・ガール,x

31,ゼロから始める魔法の書,x
32,ピカイア!! 第2シリーズ,x
33,兄に付ける薬はない!,C
34,王室教師ハイネ,F
35,夏目友人帳 陸,B
36,世界の闇図鑑,x
37,有頂天家族2,A
38,Room Mate,x
39,sin 七つの大罪 (11話まで),x
40,進撃の巨人 Season2,S

41,笑ゥせぇるすまんNEW,x
42,ラブ米 WE LOVE RICE,x
43,ID-0 (アイディー・ゼロ),x
44,弱虫ペダル NEW GENERATION,B
45,喧嘩番長 乙女 Girl Beats Boys,x
46,ツインエンジェルBREAK,x
47,BanG Dream! (バンドリ),x
48,超游世界 (ネット配信),x
49,南鎌倉高校女子自転車部 (第13話),x
50,テイルズ オブ ゼスティリア ザ クロス (第13-25話),x


「正解するカド」:評価不能の怪作。しかたないからCにしましたが、本当はSかもしれないし、Eかもしれません。
「ベルセルク次篇」:安定の二期。重量を感じさせる剣戟もgood
「タイガーマスクW」:初代の「タイガーマスク」に比べて軽すぎます。視聴意欲がなくなりました。
「アトム ザ・ビギニング」:初代の「アトム」になじみがないので、その前日談といっても興味がわきません。
「グランブルーファンタジー ジ・アニメーション」:ゲームのコマーシャルは頻繁に見ていましたので名前は知っていましたが、ピンときませんでした。
「武装少女マキャヴェリズム」:今クールの収穫。よくあるフォーマットにのっていますが、面白さは減じていません。
「銀の墓守り(ガーディアン)」:この制作会社らしく中途半端に終わりました。四連続アウトです。
「兄に付ける薬はない!」:中国アニメだからといって駄目でないという好例です。普通に視聴できるレベルです。
「王室教師ハイネ」:私の趣味に合わなかったので切りましたが、客観的に悪い作品だとは思いません。
「夏目友人帳 陸」:安定して面白いです。
「有頂天家族2」:一期同様面白かったです。
「進撃の巨人 Season2」:画面に目が釘付けになりました。
「弱虫ペダル NEW GENERATION」:つまらなくはないのですが、同じパターンをくりかえしているだけにも見えます。

【朝日新聞】共謀罪と日本人論

7月11日朝日新聞朝刊オピニオン欄の「耕論」のコーナー。共謀罪についてです。3人の識者のインタビューが載っていますが、その中の一つ、龍谷大学教授で元法務省の浜井浩一氏の「相互不信 見張って安心感」を引用します。

 「共謀罪」の導入で、「日本が監視社会になってしまう」と危惧されています。しかし、もともと日本人には、監視されたい、監視したい、という気持ちがあるんじゃないかと思うんです。
 監視カメラの防犯効果について、国際的にデータを集めた研究では、駐車場での車上狙いなどはある程度減るが、それ以外の場所での窃盗や暴力犯罪には効果が認められていません。
 でも、事件が起きると、真っ先に「監視カメラの映像はないのか」とメディアも一般市民も思うようになっている。その意味では、防犯効果があるか否かにかかわらず、監視カメラを多くの人は求めているわけです。
 社会心理学者の山岸俊男さんは、日本人は必ずしも互いを信頼していないが、相互監視によって安心社会を築いてきた、と言っています。互いを監視する中で、誰かに迷惑をかければ、社会から排除されてしまう。だから、誰も自分に害をなすことができないはずだと安心している、というのです。
 しかし、地域や家族の絆が弱まり、終身雇用も崩れた結果、人間関係での監視がうまく機能しなくなっています。その代用として、監視カメラが求められるようになったのでしょう。
(略)


監視カメラの防犯効果が少ないからといって、事件があった際に監視カメラの映像が求められることは矛盾でもなんでもありません。防犯と検挙率の話は全く無関係ではありませんが、別々に考えるべきことです。現実に事件が起きてしまったら、監視カメラの映像がないか、と考えるのは自然なことです。

また、監視カメラがあるのは日本だけではありません。したがって、防犯カメラを求める声があることを根拠に「もともと日本人には、監視されたい、監視したい、という気持ちがあるんじゃないかと思うんです」という結論は誤りです。

ただしくは、世界中(監視カメラを市民が同意していないのに強圧的に設置している国を除く)の人々は「監視されたい、監視したい、という気持ちがある」とすべきです。

もちろん、こんな結論は馬鹿馬鹿しいものです。

よく考えずに、つまらない日本人論を展開するからこういう錯誤をしたのでしょう。

【アニメ】進撃の巨人 Season2

「進撃の巨人」の第二期。一期に続いて視聴です。原作は未読です。原作に興味がないのではなく、アニメーションを初見にしたいからあえて未読にしています。

一期の終わりは怒涛の展開でしたが、二期はさらに倍する神がかり的な展開で頭がクラクラしてきました。謎が謎を呼んでいますが、いままでの流れからみて投げっぱなしにはしないと信じられます。

質の高さとともにスケールの大きさで際立っています。

このクールのみならず、日本のアニメーション史上で特筆すべき作品だと思います。
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えいび

Author:えいび
日々の出来事、映画やアニメの感想です。

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