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【映画】キングダム

原作は読んでいません。アニメ化したのも観ていません。

気になっていたのですが映画館では見逃していたのを、今回テレビ放映を観ました。

春秋戦国時代の若き日の始皇帝(当時は秦王)を中心としたストーリーです。主人公は奴隷の少年。同じ境遇の友人と互いに剣の技を競って立身出世を目指します。友人は始皇帝とうり二つだったので影武者としてスカウトされますが、秦王の弟が起こしたクーデターで殺されてしまいます。主人公は秦王を助けて王位を取り返すべく奮戦します。

ストーリー、は悪い奴(国王の弟とか大臣とか)に国を追われた(王子とか姫とか)をそれまで縁のなかった市井の主人公が力をかして国を取り戻すというよくあるものです。

話が分かりやすいのですが、気になったのはあからさまなワイアーアクションです。仙術とか超能力ならわかるのですが、この映画の設定はあくまで人間の体術です。したがって慣性の法則とか作用・反作用とか重力の影響を受けるはずです。しかし、ジャンプした後空中を移動したりちょっと刀を振るっただけで大勢が吹っ飛んだりとかはリアリティが欠如しています。

また、大群を擁した決戦なのかと思ったら、お金がないせいなのか数名の強者の決戦で決着がつくというのも映画としては物足りません。漫画としてはその方がいいのかもしれませんが・・・

ところで始皇帝には父親が王族ではないという噂が史記に書かれています。映画では、この話が出てこずに、母親の出自だけが問題になっていました。

私が映画を観て想像したのは、最初に死んだのは本当は秦王で、秦王を名乗っているのは主人公の友人ではないかというものです。さもないとわざわざ顔がそっくりという設定にする必要はありませんし、影武者があっさり死んでしまうのも話としては不自然です。有名な始皇帝の父親の問題を持ち出さないのもこれが理由ではないかと想像しました。

【テレビ】名探偵ポワロ:第九回「クラブのキング」

ハヤカワの短編集「教会で死んだ男」の中の「クラブのキング」が原作です。

このシリーズは短編を原作にした場合は、いろいろ付け加えてボリュームを増やしています。この回も増やしているのですが、冒頭から結構原作にない話が進んでいて面喰いました。

ただし、まったく原作に関係ないシーンではなく、原作でおきる事件の直前にこんなことがあったのかな、と納得できうるシーンです。

余談ですが、映画界の大物が権力で女優を好きなようにしようというのですから、近年話題になった#MeToo運動を先取りしたようなエピソードです。実は先取りしたのではなく、シュービジネスの世界では昔から一般的にあったことなのかもしれませんが・・・

結末は原作通りで、ポワロは真相を知りながら犯人を見逃します。これは「オリエント急行殺人事件」とも共通し、ポワロ最後の事件である「カーテン」と関係する(矛盾する)エピソードになり興味深いものです。

【テレビ】フランケンシュタインの誘惑  「ビタミン×戦争×森鷗外」

NHK-BSにて放送

「フランケンシュタインの誘惑 科学史闇の事件簿」はもともとNHK-BSで放送されていたのですが、それを編集してEテレで「フランケンシュタインの誘惑E+」と題して去年まで放送していました。このブログでは「フランケンシュタインの誘惑E+」の感想を書いてきました。

昨日は、なぜか突然「フランケンシュタインの誘惑」の「CASE14」の再放送がありました。毎週放送するつもりもなさそうです。新型コロナのせいで番組制作スケジュールがおかしくなったので穴埋めに使ったのかもしれません。それはともかく、「ビタミン×戦争×森鷗外」は「E+」ではやっていなかったので、せっかくだから感想を書きます。


明治時代の日本では脚気が流行っていた。特に軍隊では多くの若者が脚気にかかり命を落としていった。

1884年、森鴎外こと森林太郎はドイツに留学。コッホ博士のもとで細菌学を学ぶ。帰国し陸軍で要職を得た森は、脚気の原因は細菌によるものと考えた。

一方、薩摩下級武士出身の海軍軍医高木兼寛は、脚気の原因は白米ばかり食べている栄養の偏りにあると考え、麦飯をすすめた。

高木は英国で疫学を学び、原因はさておき統計的に分析し対策をたてるという手法を身につけていた。脚気にかかった人間の生活習慣をすべて調査し、白米に要因があると見定め、実験をして確認した。

これは、世界で初めて食事と病気の関係を解明した調査である。

しかし、森は高木を西洋かぶれと批判し、白米原因説を無視した。陸軍と海軍の意地の張りあいもあいまって、海軍は麦飯にして脚気患者を減らすことにしたのに対し、陸軍では脚気は収まらなかった。

森は、一日6合の白米があればおかずなしで栄養が取れると主張し続けた。

しかし、1894年の日清戦争で、陸軍の戦死者450人、脚気による死者4000人という惨状であった。日清戦争後、森は台湾総督府陸軍局軍医部長として台湾に乗り込むが、ここでも脚気の大量発生が起きた。

海軍と陸軍の間で論争がおきた。

海軍「海軍では脚気を防いでいる。陸軍は間違っている」
陸軍「病気の仕組みが分からない状態で白米をやり玉にあげるのは科学的でない」
海軍「天然痘も仕組みは分からないが種痘によって防いでいる。原因の解明と対策は別問題である」

1904年の日露戦争で陸軍は25万人の脚気患者を出し、2万7千人が死んだ。陸軍トップの軍医はくびになったが、その後を襲ったのは森だった。

1911年、農学者鈴木梅太郎が全く新しい栄養素(いまでいうビタミン)を世界で初めて提唱した。しかし農学者を低く見ていた医学者たちはこの提言を無視。海外での論文発表も遅れた。

1924年になって、調査会は、ようやく脚気の原因がビタミン不足であると認め解散した。

1929年、ビタミンの発見で医師・生理学者エイクマンと生化学者ホプキンズがノーベル賞をとった。後年発見された資料では鈴木はノーベル賞の候補になっていたことが分かっている。鈴木の海外発表がおくれなければ鈴木が日本初のノーベル賞受賞者となった可能性は高い。

■感想
「フランケンシュタインの誘惑」は科学者を主人公にした話でしたが、森鷗外は軍医であっても科学者とは言い難いと思いました。

高木説に反論するための実験として、白米・麦飯・洋食をあたえ食べた量と糞の量の差から、白米がもっとも栄養吸収にすぐれているという結論を出します。しかし、これは脚気とはなんの関係もない実験ですので高木説への反論になっていません。森には科学的な発想が欠けていたとしか思えません。

高木に対する反論も、イギリスかぶれだのなんだのと、学説とは無関係なところに終始します。これなどは歪んだエリート意識のあらわれでしょう。

これだけやらかした森鴎外(森林太郎)ですが、なぜか悪く言われていません。ひとえに小説が認められているからだとしか思えません。小説を書いていなかったら、あるいは書いていても見るべきほどのものでなかったら、後年ボロクソに批判されていたことでしょう。

【朝日新聞】「密着すれど癒着せず」とは何か?

5月29日朝日新聞朝刊オピニオン欄。今回の「池上彰の新聞ななめ読み」は「黒川氏との賭けマージャン 密着と癒着の線引きは」です。

(略)
 私もかつてNHK社会部の記者でした。警視庁を2年間担当し、捜査1課の幹部から一線の刑事たちまで、多くの人たちから情報を得ようと必死な時代がありました。結局たいした特ダネも書けないまま警視庁担当を外れました。
 いまでも時折、あの頃のことを思い出し、自分のふがいなさに情けなくなります。後輩たちに偉そうなことは言えません。
 しかし、このとき上司から言われたことは忘れられません。記者の心得として、「密着すれど癒着せず」という言葉でした。
 取材相手に密着しなければ、情報は得られない。でも、記者として癒着はいけない。この言葉を肝に銘じて……と言うと優等生のようですが、密着することができなかった自分の能力不足を棚に上げて、「癒着はダメだから」と自分をだましていたようにも思えてしまいます。
 今回の出来事を、どう考えればいいのか。悩みながら新聞各紙を読んでいたら、22日付の毎日新聞朝刊に載ったジャーナリストの大谷昭宏氏のコメントが目を引きました。大谷氏は、かつて読売新聞大阪本社で大阪府警を担当し、特ダネ記者で鳴らした人です。それだけに大谷氏の考えを知りたかったのです。こう書いています。
 〈記者は取材相手に食い込むために、お酒を飲んだり、マージャンやゴルフをしたりすることもある。まして黒川氏は検察でいえばナンバー2だ。同業者としては複雑な思いもあり、建前で語りたくはない〉
 この時期に、これはなかなか勇気のある発言です。「賭けマージャンとはけしからん」と建前のコメントをするだけでも済んだのに、簡単に切って捨てるわけにはいかないという思いがにじみ、好感が持てました。
 もちろん、このコメントの後で大谷氏は「到底、肯定できない」と批判しているのですが、そこで終わってはいないのです。こう語ります。
 〈一方で、この件をもって記者の牙を抜いてしまうようなことがあってはいけない〉〈(権力を持つ側が)発表した文書を通り一遍に伝えるだけでは記者の仕事は成り立たず、読者にディープな情報を届けられなくなってしまう。新聞には公器としての役割がある。記者が自らを律しながら取材をしていくことが重要だ〉
 そうですね。記者の取材活動が、これで萎縮してはならないのです。でも、毎日の紙面の大谷氏の隣ではメディア論が専門の鈴木秀美氏が、こう語っています。
 〈ソーシャルメディア上では、この問題に関して「記者たちは黒川氏が賭けマージャンをしていることを知りながら、なぜそのことを報じなかったのか」という声が上がっている。一線の記者たちは、報道倫理について改めて考えを巡らせてほしい〉
 賭けマージャンをしていることを知りながら、なぜ報じなかったのか。こういう疑問が出るのは当然のことです。読者から、そう聞かれたら何と答えるのか。他社の記者たちにとっても人ごとではなく受け止めてほしい声です。


池上氏は感銘を受けたらしいですが、「密着すれど癒着せず」などというのは単なる言葉遊びにすぎません。何が密着で何が癒着なのか定義がないからです。

大谷氏の発言も苦渋に満ちているようで実のところ「密着すれど癒着せず」の心得にすぎません。何がよくて何が悪いのか感覚で喋っているだけに見えます。

大谷氏も、取材対象とお酒やマージャンやゴルフをしたことがあるそうです。しかし「到底、肯定できない」と言っているのは賭けマージャンだからでしょうか? それなら大谷氏は取材対象と賭けずにマージャンをしていたとでもいうのでしょうか?

そもそもジャーナリストも検事も少額を賭けてのマージャンが悪とは思っていなかったのが原因です。しかし、表立ってそれを言うのがはばかられるという本音と建て前の乖離が、池上氏や大谷氏などジャーナリストの歯切れの悪い発言の原因です。

「賭けマージャンをしていることを知りながら、なぜ報じなかったのか」は、悪いことだと思っていなかったから、につきます。

【朝日新聞】作り過ぎた人工呼吸器

5月25日朝日新聞の記事「作りすぎた人工呼吸器、米側の打診受け首相が購入を約束」を引用します。

 安倍晋三首相が8日にあったトランプ米大統領との電話協議で、米国製人工呼
吸器の購入を約束していたことがわかった。トランプ氏は3月、ゼネラル・モーターズ(GM)などに大量生産を指示していたが、米政府から「つくりすぎて困っている」と購入の打診があった。トランプ氏は「いつでも出荷できる」と上機嫌だったという。
 複数の日本政府関係者によると、米政府は今月初め、日本側に人工呼吸器の購入を打診。日本国内でも増産を進めているため、日本側はいったん「不足は起きていない」と答えた。しかし、世界各国で医療機器の確保が課題となっていることから、首相官邸内で再検討し、第2波に備えて購入することにしたという。
 政府関係者は「日本としても予備があるに越したことはない」と強調。「日本製より格安だ」として、まずは1千台程度輸入する方向で調整している。
(略)


朝日新聞は、トランプにごり押しされて不要な機器を買わされた安倍政権、という構図を描きたいようにも見えます(←邪推?)

そういう構図が事実かどうかはこの記事でははっきりしません。

記事で確定的情報とされているのは、
・米国は人工呼吸器を作り過ぎて余っている
・日本は現時点で足りている、と政府言っている
・米国製は日本製より格安
・日本は1000台輸入する
です。

しかし、米国で今何台使っていて、ピークで何台必要と見込んでいて、何台作ってしまったのか、という米国側の数字が欠けています。

日本の情報も同様で、現在何台使っているのか、ピーク(あるいは第二派)で何台必要になるのか、という情報が欠けています。

また、日本の機器と米国の機器の価格も分かりません。

これでは、トランプのご機嫌を取るために不要なものを買わされたのかどうか判断しようがありません。

それはともかく
・米国は、全くおさまる気配がない中、外国に人工呼吸器を輸出して大丈夫という判断が不思議です。
・GMに作らせたのは戦時下のための法律を援用したみたいですが、いざというときに強権を発動できる米国がちょっとうらやましくもあります。日本だと政府がトヨタに命令して人工呼吸器を作らせるみたいなもので、ちょっと考えにくいです。こういう国と国家をあげた戦争しても負けたのもうなずけます。
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えいび

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